ペットがいる暮らしって、結局みんなでドタバタするのが一番いい

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うちに犬が来たのは、確か春先だった。

それまで私は正直、ペットなんて面倒くさいだけだと思ってた。散歩とか餌とか、誰がやるんだよって。案の定、最初の一週間は母親が張り切って全部やってたんだけど、二週間目くらいから「ちょっと手伝ってよ」が始まって、気づいたら家族全員が何かしらペット関連の仕事を抱えてる状態になってた。父親なんて「俺は犬派じゃない」とか言ってたくせに、今じゃ朝の散歩を誰よりも楽しみにしてるし。

食事の時間が一番カオスになる。人間の夕飯の準備をしながら、ペットのご飯も用意しなきゃいけないから、キッチンが戦場みたいになるんだよね。母がフライパン振り回してる横で、妹がペット用のフードを計量カップで測ってて、私は野菜を刻みながら「それ人間用の計量カップじゃん」ってツッコんで。犬はその間ずっと、キッチンの入り口でお座りして待ってる。あの健気な目つきに負けて、つい人間用のおかずを少しあげたくなるんだけど、それやると体調管理がめちゃくちゃになるから我慢。獣医さんに「人間の食べ物は基本NGです」って念押しされてるし。

ところで、この前スーパーで「ペットライフプラス」っていうペット用品の専門コーナーができてて、思わず30分くらい見入っちゃったんだけど。

体調管理っていうと難しく聞こえるけど、要するに毎日ちゃんと観察するってことなんだよね。うちは家族それぞれが気づいたことをLINEのグループに投げ込むシステムになってる。「今日うんち柔らかめ」とか「水あんまり飲んでない気がする」とか、そういう地味な報告が一日に5件とか流れてくる。最初は「そんなの必要?」って思ってたけど、実際これのおかげで早めに体調の変化に気づけたことが何度かあって、今では誰も文句言わなくなった。父親の報告が一番細かいのは内緒。

夜、リビングでみんながバラバラのことしてる時間が好きだ。私はスマホ見てて、父は新聞読んでて、母はテレビ見てて、妹は宿題してて。その真ん中に犬がいる。誰のそばにいるわけでもなく、ただリビングの中心あたりでゴロンと寝転がってる。で、誰かが立ち上がると「遊んでくれるの?」って顔で首だけ持ち上げる。その繰り返し。別に特別なことは何も起きてないんだけど、なんかこういう時間っていいなって思う。

週末の朝は散歩の順番で揉める。「今週は私が少ないから今日行く」「いや先週お前二回多かっただろ」みたいな不毛な議論が玄関先で展開される。犬は「早く行こうよ」って顔でリードくわえて待ってる。結局じゃんけんで決めたりして、負けた方は「次は絶対俺だからな」とか言い残して部屋に戻っていく。こんなくだらないやりとりも含めて、ペットがいる生活なんだと思う。

食事の内容も最初は適当だったけど、今はちゃんと栄養バランス考えるようになった。ドッグフードだけじゃなくて、たまに茹でた野菜とか鶏肉とか混ぜてあげる。母が「人間の料理より手間かけてるかも」って笑ってたけど、本当にそうかもしれない。でもペットが美味しそうに食べてるの見ると、まあいいかってなるんだよね。

家族でペットの話をしない日はない。

「今日こんなことした」「あんな反応した」「これ買ってあげたらどうかな」。会話のネタに困ることがなくなった。それまでは夕飯時に微妙な沈黙が流れることもあったけど、今はペットの話題でつながってる。別に劇的に家族仲が良くなったとか、そういう大げさな話じゃないんだけど…なんていうか、共通の関心事があるって悪くないよね。

結局、ペットがいる暮らしって、完璧を目指すものじゃないのかもしれない。誰かが忘れたら誰かがカバーして、たまに失敗して、それでも何とかなって。そういう繰り返し。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:UETSUJI TOSHIYUKI

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