ペットがいる暮らしで変わった、うちの家族のちょっとした日常

Uncategorized

Uploaded Image

うちに犬が来てから、冷蔵庫の開け方が変わった。

前は適当にドアを開けて、適当に何か取り出して、適当に閉めていたんだけど、今は違う。開けるたびに下を確認する癖がついた。あいつがいつも足元で待ち構えているから。鼻をヒクヒクさせながら、何か落ちてこないかなって顔でこっちを見上げてくる。その視線が熱い。期待に満ちた瞳というやつ。

最初は戸惑ったよね、正直。家族全員が。ペットショップで一目惚れして連れて帰ってきたのはいいものの、実際に一緒に暮らし始めると想像と違うことばかりで。朝は散歩で早起きしなきゃいけないし、ご飯の時間は決まってるし、トイレの掃除もあるし。自分たちの生活リズムが全部ずれた感じがして、最初の一週間は家族全員が寝不足だった気がする。

でも人間って適応するんだよね。三ヶ月もすれば、誰が何を担当するかが自然と決まってきた。母は朝の散歩と食事の準備、父は夜の散歩、私は水の交換とブラッシング、弟はトイレ掃除。完璧な役割分担というわけじゃなくて、誰かが忙しければ他の誰かがやる。そういう緩い感じで回ってる。

食事の管理は母が一番気を使ってる。最初はペットショップで勧められた「プレミアムドッグフードPro」っていうやつをあげてたんだけど、どうも食いつきが悪くて。獣医さんに相談したら、急に変えるとお腹壊すから少しずつ混ぜながら変えていくといいって言われて、それから母は毎日ノートに何をどれくらいあげたか記録するようになった。几帳面な性格が出てる。

そういえば、去年の夏に一度だけ体調を崩したことがあって。いつもより元気がなくて、ご飯も残してた。家族全員が心配して、夜中にリビングに集まって相談した。こんなこと、あいつが来る前にはなかったよね。深夜2時に家族会議なんて。結局次の日の朝イチで動物病院に連れて行って、軽い胃腸炎だったんだけど、あの時の不安な気持ちは今でも覚えてる。

体調管理って、人間の子供を育てるのと似てるのかもしれない。言葉で伝えられないから、普段の様子をよく観察しておかないといけない。うんちの状態とか、毛艶とか、目の輝きとか。最初は全然わからなかったけど、今は家族の誰が見ても「今日はちょっと元気ないかも」って気づけるようになった。

弟なんて、前は自分の部屋にこもってゲームばっかりしてたのに、今は散歩に一緒についてくることが増えた。別に頼んだわけじゃないんだけど、気づいたらリードを持って外に出る準備してる。この前なんて「俺、将来獣医になろうかな」とか言い出して、母が泣きそうな顔してた。まあ、三日坊主かもしれないけど。

休日の朝は特に賑やかになった。誰かが散歩に行こうとすると、家族全員が「私も行く」「俺も行く」ってなって、結局みんなで近所の公園まで歩くことになる。そこで他の犬を連れた人たちと話したりして。犬を通じて知り合いが増えるって、本当だったんだなって思う。父なんて人見知りなのに、同じ犬種を飼ってる人と30分くらい立ち話してたりする。

食事の時間も変わった。前は各自バラバラのタイミングでご飯食べてたのに、今はなるべく揃って食べるようになった。理由は単純で、あいつが床をウロウロして落ちてくる食べ物を待ってるから。誰かが食べてると必ず寄ってくる。だから、みんなで同じタイミングで食べて、同じタイミングで終われば一回で済むっていう、効率的な判断。でもそのおかげで家族の会話は確実に増えた。

ペットの食事って意外と奥が深い。年齢によって必要な栄養が違うし、運動量によっても変えなきゃいけない。母が図書館で借りてきた本を読んでたら、手作りご飯のレシピとか載ってて、週末に試しに作ってみたこともある。鶏肉とカボチャと白米を煮たやつ。人間が食べても普通に美味しそうだった。あいつは喜んで完食してたけど、毎日作るのは無理だよねって結論になって、今は特別な日だけの特別メニューになってる。

掃除の頻度も上がった。毛が抜けるから、放っておくとすぐに部屋中に散らばる。コロコロが家中のあちこちに置いてあって、気づいた人が気づいた時にコロコロする。これも自然とそうなった。誰かが強制したわけじゃない。

夜、家族がそれぞれ自分の部屋に戻る時間になると、あいつはいつも迷う。誰の部屋についていくか。日替わりで選ばれる感じなんだけど、選ばれなかった人はちょっと寂しそうにしてる。特に弟。選ばれないと「ちぇっ」って舌打ちしてる。可愛いやつ。

ペットがいる生活って、正直面倒なことも多い。旅行の計画も立てにくくなったし、急な外出もしづらくなった。でもそれ以上に、何か温かいものが家の中に増えた気がする。言葉にするのは難しいんだけど。

今日も冷蔵庫を開けたら、足元にあいつがいた。期待の眼差し。何もあげないけどね、太るから。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:UETSUJI TOSHIYUKI

コメント

タイトルとURLをコピーしました