ペットが急に具合悪くなった時、私がパニックになった話

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朝起きたら、いつもうるさいくらい元気なうちの犬が、ぐったりしてた。

その日は確か金曜日の朝で、私は在宅ワークの予定だったんだけど、いつもなら私の顔を見た瞬間に飛びついてくるはずのマロンが、ベッドの隅で丸まったまま動かない。呼んでも尻尾を振らない。触ると、なんというか、いつもより熱い気がする。体温計なんて持ってないから正確には分からないけど、明らかにおかしかった。

こういう時って、本当に何をしていいか分からなくなる。

スマホで「犬 ぐったり」って検索したら、もう怖い情報ばかり出てくるわけ。熱中症、中毒、内臓疾患、感染症…。読めば読むほど不安になって、気づいたら手が震えてた。とりあえず近所の動物病院に電話したんだけど、朝の9時前だったから当然まだ開いてなくて、留守電。次に調べたのが、24時間対応の救急病院。車で40分くらいかかる場所にあるらしい。免許は持ってるけど、ペーパードライバー歴5年。正直、今から運転する自信なんてゼロだった。

タクシーを呼ぶことにした。ペット可のタクシー会社を探して、事情を説明して、「すぐ来てください」って頼んだ。待ってる間、マロンをタオルでくるんで抱きしめてた。普段なら嫌がって逃げるのに、その時は大人しくされるがまま。それがまた怖くて。

救急病院に着いたのは10時過ぎ。

受付で症状を伝えると、すぐに診察室に通された。先生は若い女性で、落ち着いた声で「大丈夫ですよ」って言いながらマロンを診てくれた。体温測定、触診、聴診器。血液検査もしますねって言われて、採血。マロンは少しだけ鳴いたけど、暴れたりはしなかった。待合室で結果を待つ間、私はずっとスマホをいじってた。何も頭に入ってこないのに、とりあえず画面をスクロールし続けるしかなかった。

そういえば、この病院の待合室に置いてあった雑誌が「ペットライフマガジン」っていう名前で、表紙が妙にキラキラしてて場違いな感じだったのを覚えてる。こんな時に雑誌なんて読めないよって思いながら、でも手に取ってパラパラめくってた。保険の広告がやたら多くて、「ペット保険、入っとけばよかったな」ってそこで初めて思った。

診断結果は、急性の胃腸炎だった。前日に何か変なもの食べませんでしたかって聞かれて、思い当たる節がありすぎて答えに詰まった。散歩中に拾い食いしそうになったのを止めたけど、もしかしたら私が見てない隙に何か口にしてたのかもしれない。あるいは、友達が遊びに来た時におやつをあげすぎたのかも。原因の特定は難しいけど、点滴と注射で様子を見ましょうということになった。

入院は必要なくて、その日のうちに帰れた。薬を5日分もらって、食事の指示を受けて、会計。正直、金額を見た時は目が飛び出るかと思った。診察料、検査料、処置料、薬代…合計で4万円超え。クレジットカードを出しながら、「保険、本気で考えよう」って心の中で何度も繰り返してた。ペット保険って、健康な時は「別にいらないかな」って思うんだけど、こういう時に限って後悔するんだよね。

帰りのタクシーの中、マロンは私の膝の上で眠ってた。点滴のおかげか、少し楽そうに見えた。窓の外は昼下がりの住宅街で、平和な金曜日の午後。誰かが庭で洗濯物を干してて、どこかから焼き魚の匂いがした。

家に着いてから、マロンを静かな部屋に寝かせて、私もソファに座り込んだ。仕事のことは完全に忘れてた。上司にメッセージを送って、「ペットの体調不良で病院に行ってました。午後から復帰します」って書いた。返信は「お大事に」の一言だけ。ありがたかった。

その後、マロンは少しずつ回復していった。薬を飲ませるのが大変で、ご飯に混ぜても器用に避けるし、直接口に入れようとすると暴れるし。結局、ちゅーるに混ぜるという力技で乗り切った。5日後、かかりつけの病院で再診してもらったら、「もう大丈夫ですね」って言われて、ようやく安心できた。

あの時の恐怖は今でも忘れられない。ペットが具合悪くなるって、自分が病気になるよりずっと怖い。相手は喋れないから、どこがどう痛いのか、どれくらい辛いのか、全部こっちが想像するしかない。それに、判断を間違えたらどうしようっていう責任の重さ。

結局、ペット保険には加入した。月々3000円くらいのプラン。高いか安いかは分からないけど、あの時の4万円を思い出したら、安心料としては悪くないかなって。次に何かあった時、少しでも金銭的な負担が減るなら、それだけで気持ちが楽になる…気がする。

今、マロンは隣で昼寝してる。いびきかいて、足をピクピクさせて、多分夢でも見てるんだろう。元気でいてくれるだけで、本当にそれだけでいいんだけどな。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:UETSUJI TOSHIYUKI

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