ペットが玄関で待ってる生活って、思ってたのと全然違った

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帰宅して鍵を開けた瞬間、バタバタと駆け寄ってくる足音。これが毎日あるって、正直ズルいと思う。

一人暮らしを始めて3年目の秋、ふらっと立ち寄ったペットショップで出会ったのがきっかけだった。別に飼うつもりなんてなかったんだけど、ガラス越しにじっと見つめられて、気づいたら店員さんと「飼育に必要なもの」について真剣に相談してた。今思えば、あの日の私は完全に術中にハマってたんだと思う。でも後悔はしてない。

仕事終わりの電車の中で、スマホをいじりながら「今日も残業だったな」なんて考えてる時間が変わった。帰ったら誰かが待ってるって思うだけで、なんとなく足取りが軽くなる。疲れてる日ほど、その感覚は強い。駅から自宅までの7分間、コンビニに寄るかどうか迷いながら歩く道のりも、以前とは違って見える。

うちの子は柴犬なんだけど、名前は「タロウ」。ベタすぎて友達に笑われたけど、顔を見たらタロウ以外考えられなかった。朝7時に家を出る時、必ず玄関まで見送りに来る。最初の頃は「行かないで」みたいな顔をされて、罪悪感で胸が痛かった。今でも痛いけど、出勤しないわけにはいかないから「夜には帰るから」って声をかけて出る。タロウが理解してるかは分からないけど。

19時過ぎに帰宅すると、ドアを開ける前から中で気配を察知してるのが分かる。鍵の音で反応してるのか、足音で分かるのか。玄関を開けた瞬間、全力で尻尾を振りながら飛びついてくる。靴も脱いでないのに、もう顔を舐めようとしてくる。「ちょっと待って、手洗ってくるから」って言っても、トイレまでついてくる。

そういえば先週、会社の飲み会で終電近くまで飲んでて、帰宅が23時を過ぎたことがあった。いつもより4時間も遅い。ドアを開けたら、タロウが玄関で寝てた。待ちくたびれて寝ちゃったんだと思う。それを見た瞬間、なんとも言えない気持ちになって、次の飲み会は断った。上司には「ペットがいるんで」って正直に言ったら、意外にも「それは大事だよ」って言ってもらえた。

休日の朝は、タロウに起こされる。6時半くらいに顔の近くでクンクン鳴いて、「散歩行こうよ」アピールをしてくる。せっかくの休みなのに早起きさせられるのは正直きついけど、朝の公園は空気が澄んでて気持ちいい。近所の「モーニングパーク」って名前の小さな公園に行くんだけど、同じように犬の散歩をしてる人たちと顔見知りになった。挨拶程度だけど、一人暮らしで近所に知り合いができるなんて思ってなかった。

ペットとの生活で一番変わったのは、生活リズムかもしれない。以前は休日に昼過ぎまで寝てることもあったけど、今は朝7時には起きる。ご飯をあげて、散歩に行って、一緒に遊ぶ。夜も、タロウが寝る時間に合わせて自分も早めに布団に入るようになった。規則正しい生活って、こういうことかって実感してる。

エサ代とか、予防接種とか、トリミングとか、お金はそれなりにかかる。最初は「こんなにかかるの?」って驚いたけど、慣れた。というか、タロウのためなら出せる。人間って不思議だよね、自分のためには節約するくせに、大切な存在のためなら財布の紐が緩む。

夜、ソファでテレビを見てる時、タロウが隣に座ってくる。というか、膝の上に乗ってくる。重いんだけど、どかす気にはなれない。スマホをいじりながら、何気なく頭を撫でる。タロウは気持ちよさそうに目を細める。この時間が、一日で一番ホッとする瞬間かもしれない。

仕事で嫌なことがあった日も、タロウは変わらず尻尾を振って迎えてくれる。人間関係のゴタゴタとか、プロジェクトの失敗とか、そういうのは全部関係ない。ただ「おかえり」って言ってくれる(言葉じゃないけど)。それだけで、なんとなく「まあいっか」って思える。

ペットを飼うって、責任が伴うし大変なこともある。でも、帰る場所に誰かがいるって、想像以上に心の支えになってる。一人暮らしの部屋が、ただの寝る場所じゃなくなった。

明日もまた、タロウが玄関で待っててくれるんだろうな。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:UETSUJI TOSHIYUKI

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