毎日の仕事に追われる日々。疲れ切って家に帰ると、いつも玄関で待っていてくれる存在がいる。そう、私のかけがえのない家族であるミルクだ。真っ白な毛並みが特徴的な雑種の猫で、3年前に保護猫カフェから迎え入れた。
一人暮らしを始めて5年が経つ。最初の2年間は、誰もいない部屋に帰るのが寂しくて仕方がなかった。テレビをつけっぱなしにしたり、音楽を流したりして、無理やり生活音を作り出していた。そんな私の生活が大きく変わったのは、ミルクと出会ってからだ。
休日の朝は、いつもミルクの甘えた鳴き声で目が覚める。「もう朝ごはんの時間だよ」と言わんばかりに、私の布団の上でゴロゴロと喉を鳴らしながら待っている。たまに寝坊をしようとすると、お腹や顔を肉球でトントンと優しく叩いてくる。どんなに眠くても、その愛らしい仕草には勝てない。
朝ごはんを済ませると、ミルクは窓辺の日向ぼっこスポットへ。私が朝シャンを済ませている間、陽だまりの中でうとうとしている姿は絵になる。スマートフォンで撮影した写真は既に1000枚を超えているが、毎日新しい表情を見せてくれるので、撮影欲が収まることはない。
平日は仕事で家を空けることが多いが、ミルクは賢く、私の不在時間を上手に過ごしてくれる。自動給餌器とウォーターサーバー、複数のトイレを設置し、おもちゃも豊富に用意している。監視カメラで様子を確認すると、昼間は主に睡眠タイムのようだ。たまに、おもちゃで遊ぶ姿も見られて、それを見るだけで仕事の疲れが吹き飛ぶ。
夕方の帰宅時が一番の楽しみだ。玄関の鍵を開ける音を聞くと、必ずミルクが出迎えてくれる。「おかえり」と言っているかのような鳴き声と、足元にすり寄ってくる仕草に、心が温かくなる。靴を脱ぐのも待ちきれない様子で、私の周りをくるくると回る姿は、まるでダンスを踊っているよう。
夕食の準備をする時も、キッチンに付いてきて私の様子を見守ってくれる。以前は料理をする気力もなく、コンビニ弁当で済ませることが多かった。でも今は、ミルクと一緒に過ごす時間を大切にしたいという思いから、自炊する機会が増えた。台所に立つ私の足元で、おすわりをして待っているミルクの姿を見ると、もっと美味しいものを作りたいという気持ちが湧いてくる。
食後は、リビングでくつろぐのが日課だ。テレビを見ながら、ミルクをブラッシングするのが至福の時間。ブラシを見せると、自分から私の膝の上に乗ってきて、ブラッシングをねだる。気持ち良さそうに目を細める表情を見ていると、私まで癒されてしまう。
休日は、ミルクとの時間を存分に楽しむ。キャットタワーで遊んだり、レーザーポインターを使って追いかけっこをしたり、新しいおもちゃを一緒に試してみたり。ミルクが楽しそうに遊ぶ姿を見ているだけで、心が弾む。時には、一緒に昼寝をすることもある。ミルクの温もりと規則正しい寝息を感じながら過ごす午後は、何物にも代えがたい幸せな時間だ。
SNSでミルクの写真を投稿すると、たくさんの「いいね」がつく。同じようにペットと暮らす人々から、共感のコメントをもらえるのも嬉しい。ペットとの生活を通じて、新しいコミュニティとの繋がりも生まれた。休日にはペット好きの友人たちと集まって、お互いのペットの話で盛り上がることも。
一人暮らしの寂しさを紛らわすために始めたペットとの生活。しかし今では、ミルクは私にとってかけがえのない家族となっている。仕事で疲れた日も、何か悩み事があるときも、ミルクと過ごす時間があれば、自然と元気が湧いてくる。
最近は、休日に近所の公園を散歩することも楽しみの一つになった。ハーネスを着けたミルクと一緒に、ゆっくりと歩く時間。季節の移ろいを感じながら、時には他のペット飼い主さんと立ち話をすることも。こんな穏やかな日常が、私の生活の中で何よりも大切な宝物になっている。
ペットとの暮らしは、責任も伴う。定期的な健康診断やワクチン接種、毎日のケアなど、やるべきことは多い。でも、それらは決して負担には感じない。むしろ、ミルクの健康を守ることが、私自身の生活も規則正しくしてくれている。
夜、仕事の資料を確認している時も、そっと私の傍らで寄り添ってくれるミルク。パソコンの画面から目を離して、ふと横を見ると、丸くなって眠る姿に心が和む。明日もまた頑張ろう、そんな気持ちにさせてくれる大切な存在だ。
人生には様々な選択があるが、ミルクと暮らし始めたことは、間違いなく最高の選択の一つだった。これからも、この小さな家族との日々を大切に、たくさんの思い出を作っていきたい。そう思いながら、今日も私は幸せな気持ちで眠りにつく。
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